EPDMを併用した自動車用複合成形アプリケーションのための、新たなTPEシリーズについて
フリードリヒスハーフェンで開催される今年のFakumaで、KRAIBURG TPE(クライブルグTPE)はエチレン・プロピレン・ジエン・モノマー・ゴム(EPDM)を併用する複合射出成形アプリケーションのために開発された、優れた接着性と耐紫外線性能を備えた新たな熱可塑性エラストマーのシリーズを紹介します。このTHERMOLAST® K(サーモラスト® K)ファミリーの新しいコンパウンドは、主に成形TPEによるコーナートリムやエンド・エレメントを組み合わせたEPDMウィンドウ・トリムやシーリング・プロファイルなどの自動車用アプリケーションを想定して開発されました。
熱可塑性エラストマー(TPE)の活用において、自動車産業は最大かつ最も急成長している市場分野です。特にドアやウィンドウのシール部品のセグメントにおいて新たな用途が展開されており、コーナー・ジョイントやエンド・エレメントなどの複雑な形状での安定した性能が要求されます。これらの用途では、これまでスチレン・ブタジエン・コンパウンド(SBC)や架橋熱可塑性エラストマー (TPV)ゴムが活用されて来ました。しかしながら、TPVの場合、製造工程、特にウィンドウ・トリムの分野では種々の制約によりコストの最適化の点で限界があります。これに対し、KRAIBURG TPEからのEPDM接着グレードのシリーズは、付加価値を備えた優れた改善ソリューションを提供します。
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EPDMと共に、コーナー・ジョイントとエンド・エレメントがTHERMOLAST® K で成形されたウィンドウ・トリムとシーリング・プロファイル(写真: © 2017 KRAIBURG TPE)
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「EPDMを使用した、成形コーナーエレメントやエンド・エレメントを含む多様なシーリング・フレームやウィンドウ・トリムの生産においては、新たな素材ソリューションが必要とされていました。」KRAIBURG TPEのマイケル・ポルマンはそう言います。「様々な用途に対応が可能な私たちのTPE技術によって、従来の材料の組み合わせでは困難であった相分離の問題を解決する、高い競争力を持った材料の開発を成し遂げることができました。また、私たちは、そのような革新的な複合成形アプリケーションを迅速に製品化につなげるための、用途分野についての深い専門知識とお客様を中心とした対応力を備えています。」
ウィンドウのコーナー・ジョイントとエンド・エレメントにおいてコアとなる必要条件とは、優れた接着性と耐候性を備えた断面プロフィールの実現であり、これにはTPEとゴムの長期間にわたる接着安定性がその鍵を握っています。さらに、複合成形における冷却時間とサイクルタイムを短縮するためには、TPEの射出温度を最小にすることも必要です。
このAD/EPDM/UV シリーズの材料は、ショアAスケール70の硬度を備えながら、長期間の耐紫外線性能および耐熱性と最適な接着性能を併せ持っており、このような用途で必要とされるあらゆる条件を達成しています。競合する材料と比べても、これらの特殊TPE製品は傑出した安定性を誇ります。EPDMプロファイルは潰れたり、破壊や変形を起こしたりすることもありません。これらのコンパウンドは、EPDMとTPEとの間での同等な色堅牢性をも特色としており、粘性や相分離を起こすこともありません。
KRAIBURG TPEは、包括的な接着性試験、光線暴露試験、熱劣化試験を実施し、これらの新材料の適応性を検討してきました。加工における成形条件と安定性は成形機械および金型メーカーとの緊密な連携のもとで最適化が図られました。「私たちの試験によれば、TPEへのEPDMの接触面の清浄度は複合射出成形において重要であり、シール・プロファイルの切断面が新しいほど最適な接着力が得られることが判っています。」
これらのAD/EPDM/UVのテクノロジーは、自動車産業における数社の顧客企業によって既に試験が進められています。
KRAIBURG TPEは10月17日から21日のFakuma 2017の期間中、ホールB5のスタンド5303にて展示を行います。