EPDMへの接着性を備えたTPE

コーナー・ジョイントとEPDM押出成形品の終端を直接成形する画期的なTPE技術

熱可塑性エラストマーにとって、自動車産業は最大かつ最も急成長している市場分野です。KRAIBURG TPE(クライブルグTPE)は、高品質の外装用アプリケーションのためのTPEコンパウンドへの需要の増大を見据え、この業界へ効率的なTPEソリューションを届けるべく、アプリケーション固有の製品開発を加速してきました。

最新の開発成果は、エチレン・プロピレン・ジエン・モノマー・ゴム(EPDM)への接着性を備えたTPEコンパウンドの技術です。THERMOLAST®(サーモラスト) Kシリーズのこの材料は、自動車の外装アプリケーションにおける2材料の複合成形部品のために特別に開発されたもので、EPDMとの優れた接着性、および傑出した耐紫外線性能をその特徴としています。この新しいコンパウンドは、EPDM製のウィンドウ・トリムやシーリング用押出成形品にTPE製のコーナー・ジョイントとエンド・エレメントを複合成形する手法による自動車部品アプリケーションを特に意図して開発されました。

大部分の自動車シリーズにおいては、従来、これらのアプリケーションにはブタジエン・スチレン・コンパウンド(SBC)と架橋を持つ熱可塑性の加硫ゴム(TPV)が使用されてきました。部品の設計形状は車両シリーズによって違っているため、これらの材料を使った加工方法ではコスト効率上の限界があります。
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EPDMとの2材料複合部品のための新しい
TPE技術は、特にウィンドウ・トリムや、
他の斬新な自動車外装用部品
の経済的な生産に寄与することを目的としています。
写真:(写真: © 2018 KRAIBURG TPE)



KRAIBURG TPEの材料ソリューションは、射出成形法による加工にEPDMへの接着性を活用することで、新たな製造法の機会を提供するものです。

EPDMによるシーリングとウィンドウ・トリム・システムのセグメントは、ますます複雑で精巧なものになっていますが、KRAIBURG TPEはこの市場のための新しいTPEシリーズを発表しました。
このシリーズの最初のコンパウンド(TC7EAZおよびTC7EFZ)のEPDM接着グレード(AD/EPDM/UV )は、EPDMへの接着性を備えつつ、更にショアA70の硬度と優れた長期耐紫外線性および耐熱性を併せ持っています。耐候試験の結果、KRAIBURG TPEコンパウンドの表面品質は、競合争する材料のそれより遥かに優れていることが実証されています。個別のコンパウンドの開発では、このTPEのスペシャリストは、低霞み性(TC7EFZ)と、さらに接着性(TC7EAZ)と成形性にも着目しました。

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EPDMと一体化してコーナー・ジョイントとエンド・
エレメントがTHERMOLAST® Kで成形されたウィンドウ・
トリムとシーリング・プロファイル
写真:(写真: © 2018 KRAIBURG TPE)

良好な初期接着性

高度なEPDM接着シリーズのアプリケーションの試験は、包括的な実験室ベースでの試験および顧客による試験と共に、機械メーカーであるLWB Steinlとの実践的協業によって成功裡に行われました。最初に重視したのはEPDMとの接着挙動です。EPDM/TPEの試験片を使用した、通常のVDI-2019基準(室温および90°C/1,500時間後)による接着力の試験に加え、ISO 37に基づいた試験が行なわれました。引張応力と伸び率と共に、試験片の限界破断強度が測定されました。


一連の接着力試験では、これらの新素材は発泡およびソリッドのEPDMの双方の試験片で良好な結果を残しました。初期接着性は、最短のサイクル・タイムで完成部品を金型から容易に取り出せるという点で決定的な役割を果たします。さらに一連の試験では、接着性が主に挿入されたEPDMの押出成形品の清浄度に依存していることも明らかになりました。最適かつ高度に再現可能な結果を得るためには、TPE材料を成形する前に、押出成形品ができるだけ短時間の間に切断される必要があります - 切断面が新しいほど接着性が向上するからです。
さらに、自動車外装部品においては、永続的な耐熱性と、一ランク高い紫外線放射にも耐えうる耐候性も重要な要求事項です。これは、高温での促進老化試験(90°Cおよび120°C/1,500時間)を実施し、さらには実際の耐候試験として、フロリダ(高温多湿環境)およびカラハリ砂漠(高温乾燥環境)において近似した環境条件に試験片を暴露する試験が行われました。これらの耐候試験のすべてで、AD/EPDM/UVシリーズは安定した機械的性質と、この材料の特長である、ドライで粘着性を発現しない良好な表面状態を維持しました。

市場に直結したプロジェクト・パートナーシップ

KRAIBURG TPEは、これらの材料の加工性の徹底的な検討を行なって新しいAD/EPDM/UVコンパウンドの安定した成形性を保証すべく、ドイツ・ランツフート近郊のアルトドルフに本拠を置く、LWB Steinl有限会社とのパートナーシップを締結しました。

LWB Steinlは縦型トランスファー成形およびゴム/TPEの水平射出成形機の分野における、世界トップクラスのメーカーの1つです。同社の製品系列は、200~16,000 kNの幅広い範囲の型締力バージョンと、50~30,000 cm3の射出容量に対応したエネルギー効率の高い射出ユニットから成っています。この試験では、同社の成形技術研究室(図4)において、タイバーレスの縦型成形機を使って行われました。試験用の金型はババリア州アルゴイ・リーテンバッハのPFAFF Werkzeug- und Formenbau社によって供給されました。
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このTPEコンパウンドとEPDM材料は、
接触面積が小さい場合でさえ
優れた接着性を発揮します。
写真:(写真: © 2018 KRAIBURG TPE)


縦型成形機によるEPDM/TPE材料の成形では、材料供給や成形加工における機械類スペースを小さくできるという経済的利点があります。しかしながら、この成形では材料の加工における一連の手順に繊細なコントロールが要求されます。この特別なTPEの処方により、EPDM試験片の変形をなくすために保圧を最小限にすることが可能となりました。

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EPDMとの2材料複合アプリケーションための新しい
TPE技術のプロセスの安定性は、KRAIBURG TPEと
LWB Steinlとの協業により、縦型の成形機の機械を
使用して試験され、最適化されました。
(写真 © LWB Steinl)
ウィンドウ・トリムなどにおいて、EPDMだけで自動車のシール用押出成形品とコーナーや終端の部品を作ることも一見合理的に思えるかも知れませんが、実際にはゴムの架橋の工程を必要とするため、より長い成形サイクルを必要とし、さらにはより複雑な機械と加工ステップが必要となってしまいます。

より短い成形サイクルの実現

工程安定性を向上させることは、より低いスクラップ発生率を実現します。これは複合成形部品の経済的を考えたとき、最も重要な要素の1つです。したがって、挿入されたEPDM試験片へのTPE射出成形における典型的サイクル・タイムの削減は、プロジェクトのパートナーに対しても更なる目標のひとつでした。

KRAIBURG TPEの新しいEPDM接着コンパウンドは、経済的な加工性をも特色としています。それらは比較的低い成形温度、200°Cから220°Cでの加工が可能となっています。これは結果として冷却時間の短縮につながり、保圧の最小化と相まって成形サイクルを加速し、よって全工程の効率を高めることになります。これらの特性に加えて、特別に開発されたEPDM材料対応のTPEコンパウンドの持つ初期接着性は、金型から完成部品を取り出す作業も容易となるため、さらにサイクル・タイムの減少に寄与します。

LWB Steinlと共に、私たちは異なった自動車のウィンドウ・システムの要求にも適合可能な手法で、材料および加工技術の最適化を達成しました。材料の永久的な接着性と耐候性が損なわれることもありません。

包括的なカスタマー・サポートに加え、KRAIBURG TPEはさらに、カスタム・エンジニアリングに支えられた、光沢レベルや個々のEPDMあるいはOEMの色彩仕様を考慮した色彩バランスを提供します。

結論

市場要求に特化した開発チームと広範囲の市場情報リサーチに支えられ、KRAIBURG TPEは、自動車のウィンドウ・システムにおける多様性の広がりに対応し、EPDM押出成形品との複合成形のソリューションの経済的な生産を可能とする、新しい熱可塑性エラストマー・シリーズを開発しました。

EPDM接着技術における接着強度、耐候性および工程安定性を最適化するため、顧客と、さらには成形機械および金型業界のパートナーと共に実施された一連の試験は、KRAIBURG TPEが高度に彼らの市場および顧客を指向して活動していることの表れです。妥協のないカスタマー・サポートは、加工への提案、量産中での一貫した製品品質だけでなく、アプリケーション指向の材料処方、また調色への対応にも表れています。

「自動車産業は当社にとって最大の市場であり、また最も急成長している市場でもあります。したがって私たちは、今後とも自動車産業用の新素材への集中的な取り組みを続けます。」KRAIBURG TPEのフランツ・ヒンテレッカーはそう強調しています。

KRAIBURG TPEは、成長する市場機会の中、このセグメントにおける高品質なTPEの提供と、EPDM/TPEアプリケーションの競争力ある迅速な製品化により、顧客と共に材料技術による便益を実現するために、高いレベルの取り組みを行っています。
執筆者:
Josef Neuer, Head of Product Management
Dr. Frieder Vielsack, Head of Advance Development


1 AD/EPDM/UV: AD = adhesion, EPDM = ethylene propylene diene monomer rubber, UV = UV resistance



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